マイケルとアメリカの人種差別 ②
今ではマイケル自身による手書きのメモがたくさん見られるようになっている。
その理由はファンサイトによると、「2003年に警察にネバーランドランチを捜索される際に“友人”に渡されたが、 これらのメモは捜索中に盗まれたか、“友人”が現金を必要としていたかのどちらか。」なんだとかw
その中のメモに『BAD』リリースに向けてマイケル・ジャクソン20代後半のマニフェストが書かれている。

うん、読めない。
Xに和訳を載せてくれている方がいました。
マイケル・ジャクソン自身が記した
— 𓅫 Lah 𓅫 (@v_SUPERFLY_v) 2023年12月9日
『スリラーのヒットの要因』
(BAD制作前のマニフェストより) https://t.co/9ioqUTLdU3 pic.twitter.com/kFN5WHbOXq
引用いたします。
『BAD』リリースに向けて
マイケル・ジャクソン20代後半のマニフェスト
スリラーのヒットの要因
僕は、深い理由・つまり、怒りの理由がある時には『スリラー』のように、自分を証明するために本当にやり遂げることが出来るという事を発見した。
僕はレコード業界の平等性のなさが嫌いだった。
黒人は、最も視聴されている音楽番組であるMTVに出演することが出来なかった。
街中には「ディスコは最悪」という看板があった。
越えられない不平等。
白人の出版物の表紙を飾ることが出来ない。
「黒人は売れないから表紙には載せない」と言われた。
これらのことが僕の心に火をつけ、史上最大の売り上げを誇るアルバムを売り、白人や黒人のあらゆる人種から愛されるような評価を得ようとしたわけだ。
『TIME』や『LIFE』、『NEWSWEEK』の表紙を飾るために。
けれど、僕は自分自身を証明するために仕返しをしたいという”怒り”から、それらすべてを行なった。
僕は自分自身を証明し、物事を変えなければならない。
白人の子供たちに2億ドルを提供し、黒人のヒーローを得るようにする。そうすれば、全ての子供たちが偏見を持って育つような事はないだろう。
さて。自分を証明するために、このアルバムで怒りを込めて何をしなければならないのか。
白人の子供たちの中には、KKKの子供になっている世代もいる。
※マーティン・ルーサー・キングの生誕日にニュースで観たけど、あの子たちは自分の親が黒人に石を投げているのを見ていたんだ。
彼らは偏見を持って育ち、黒人を憎んでいる。
僕の目標は、”ビッグ"になりパワフルになり、ヒーローになる事・偏見をなくす事・アルバムを2億枚以上売ってあの幼い白人の子供たちに僕を好きになってもらう事だ。
彼らが僕を尊敬するように。
僕は世界を変えるんだ。
エルビスがロックンロールの王様であるように、白人の偉大な希望が黒人よりも白人を高貴な存在として、歴史のページに烙印を押してきた。
~中略~
たしかに彼らは優秀だったが、黒人よりも歌やダンスが上手かったわけではない。
違いは、白人がプレスやメディアをコントロールしている事で、彼らが望むものを大衆に信じさせることが出来るという事。
それに、黒人の多くは、見た目が良くない。
美しい容姿でなければならない。
僕は”今”こそ、僕の歌とダンスと”ルックス”と、俗世間とは一線を画したミステリアスな世界の住人としてその力で変えてみせる。
僕は王として君臨してやる。
僕は偏見を持っているわけではなく、今こそ初めての黒人の王様が必要、という事である。
そして永遠に僕は白人・黒人・全人種を愛している。
僕は、公正性を求めているんだ。
今こそ、僕の王権を永遠に。
すべての人種がひとつとなって、愛せるように。
MJ The King 永遠に
なるほど~。
色々植え付けられている大人ではなく、最初から子供をターゲットにしていたのか。
かなりの策士っぷり。
「仕返ししたい怒りから」というところに若さを感じますね。
あ、ノートに計画や願望を書く人と書かない人では年収にかなりの差がでるとか!
皆さんノートにどんどん書きましょう。
※キング牧師の誕生日(1月15日)を米国の国家祝日にする法案の成立(1983年)、および連邦祝日としての初の施行(1986年)をめぐり、KKKなどの団体は激しい反対運動や妨害デモを行いました。その関連のニュースのことだと思います。
https://en.wikipedia.org/wiki/Passage_of_Martin_Luther_King_Jr._Day
さて、彼について著作権や版権についてがめついイメージを持っていた人もいると思いますが、それらを踏まえると、これもすこし違って見えてくる気がします。
MJの解説でお馴染みの西寺郷太さんの解説です。
「マイケルがビートルズの版権を落札」
約113億円という後方もない額で、85年8月にマイケルがビートルズの251曲を含む4000曲以上の版権を管理する音楽出版社ATVを買い取ったことは、大きなニュースとなった。
~中略~
個人的には、85年の「ビートルズの版権を落札したことこそが、マイケルをとりまく「社会」「世間」の空気を変化させた大きな要と思う。84年まで続いた「<スリラー)現象」と、85年春の(ウィアー・ザ・ワールド)の大ヒット〜中略〜
マイケルの「パフォーマーとして、ソングライターとして、両面での評価」は絶対的とものとなっていた。
~中略~
しかし、この「ビートルズ落札」にたって「え!まさかビートルズを(黒人のマイケルが買うなんて!そこまでは許さないぞ」という白人中心社会が受けた衝撃と、だまされと被害者のような発言を繰り返すポール・マッカートニーに同情的な白人中心メディアの作り出す「印象」が巻き起こり、マイケルは「金の亡者」のようなバッシングを受ける立場になった。
これは、たった2年前までは「MTVでろくに放送されもしなかった」黒人アーティストが、まさにポップ・ミュージックの「王者」になったことを象徴する事件だった。
フェアではないと感じるのが、ポール・マッカートニー自身が個人経営で世界最大規模の版権会社を持つ有能なビジネスマンでもあり、バディ・ホリー、サミー・デイヴィス・ジュニア、フレッド・アステア、チャーリー・パーカー、アレサ・フランクリン、カウント・ベイシー、フランク・シナトラ、BBキングなどがパフォーマンスした名曲達や、「コーラスライン」「アニーよ銃をとれ」などのミュージカルの権利を所有していることはほとんど強調されず、マイケルだけが「権利ビジネス」に手を染め「ビートルズを思うがままにしている」と標的になったことである。
しかし、マイケル自身はこの版権ビジネスに関しては冷静であり、確かな「VISION」を持っていた。幼い頃から、ショー・ビジネス界の荒波にもまれる中で、マイケルの権利や契約への意識は鍛えられ、この件においては敢えて悪役をかってでることすら厭わないほど強気の姿勢を崩さなかった。
MICHAEL JACSON'S VISION 西寺郷太氏解説より
ただの金儲けとしてのビジネスではなく、黒人に権利を取り戻すためのパフォーマンスとして積極的にやっていたようにも思える。
マイケルは、2002年の人種差別に反対するスピーチでこのように語っている。
「なぜ、白人が黒人の権利を買うのは非難されずに、黒人が白人の権利を買えば叩かれるのでしょうか。
エルヴィスの楽曲を書いたオーティス・ブラックウェルは黒人です。彼は黒人だということで契約をいい加減にされたせいで、一文無しで亡くなりました。
世界中まわって探しましたが、彼について着かれた本は一冊もないんです。ずっと探していますから、そのことを僕は知っているんです」
MICHAEL JACSON'S VISION 西寺郷太氏解説 P17
マイケル来日中の出来事
1987年9月BADツアーで来日した当時のEPIC・ソニー国際部にいた田中章さんのお話。
彼の行動が大衆へ向けたパフォーマンスのためだけではないところが伺える。
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田中さんは六本木のスタジオでマイケルがガヤをレコーディングするのにも立ち会っていて、そのときに忘れられない思い出があるという。
「レコーディングの合間にマイケルがお手洗いを借りたいというので、僕が案内した時のことです。
ビルの端、角のところにトイレがあったんですが、そこにちょうど掃除をしている係の男性がいらして、パッと見てすぐ分かったんですが、彼の顔が大きくケロイド状になっていたんです。
するとマイケルが『この方と握手したいんですけど、お願いしてもらえませんか?』と言う。
そこで、『こちらの人があなたと握手したいと言ってるんですが、いいですか?』とだけ尋ねると、向こうも面食らったと思いますが、黙って頷かれたので、マイケルはその人の手を暫くの間握り、そして洗面所に入りました。
その方にも特に、こちらマイケル・ジャクソンというスターの方で、とか説明はしませんでしたし、マイケルにもどうして握手したいのかも、聞きませんでしたが、僕が思うにマイケルは自らが黒人というマイノリティで多くの差別を受けたことで、社会的に弱い立場にある人に寄り添って行動する人だったんじゃないでしょうか。
握手もその意思表示。偽善とかそういうことではないと思っています。だって、その場には僕とマイケルと、掃除の方しかいないわけですから、気取る必要もありません」
マイケル・ジャクソン死後10年目の証言 AERA



